商号の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
商法11条から18条の2は、商人が使う「商号」に関する基本ルールをまとめたものです。商号を自由に選べること、他の商人と誤認させる名称の使用を禁止すること、商号を他人に使わせた場合や商号自体を譲渡した場合の責任関係、さらに営業を譲渡した際の競業避止義務や債務の引継ぎについて定めています。実務では、屋号・商号を使った取引や事業譲渡・M&Aの場面で、誰がどこまで責任を負うかを確認する際に参照します。
| 論点 | 要件 | 効果 |
|---|---|---|
| 商号の選定 | 氏・氏名等を自由に選択 | 登記も任意にできる |
| 誤認させる名称等の使用禁止 | 不正目的で他の商人と誤認 | 差止請求・100万円以下の過料 |
| 商号使用を許諾した商人の責任 | 商号使用を他人に許諾 | 相手方と連帯して弁済責任 |
| 商号の譲渡 | 営業とともに、または廃止時 | 登記なければ第三者に対抗不可 |
| 譲渡人の競業避止(原則) | 特約がない場合 | 隣接市町村含め20年間禁止 |
| 競業避止の特約 | 同一営業をしない特約 | 譲渡日から30年が上限 |
| 譲受人の債務弁済責任(商号続用) | 商号を引き続き使用 | 譲渡人の債務も弁済 |
| 債務引受けの広告 | 譲渡人の債務引受けを広告 | 広告を見た債権者に弁済請求可 |
| 詐害的な営業譲渡 | 残存債権者を害すると知り譲渡 | 承継財産の価額限度で履行請求 |
商号について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
一 取締役を辞任したが辞任登記未了である者と商法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任の有無
二 取締役を辞任したが辞任登記未了である者が商法一四条の類推適用により同法(昭和五六年法律第七四号による改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段にいう取締役としての責任を負う場合
商法一二条〈他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止〉にいう正当事由があるとはいえないとされた事例
株式会社が代表取締役の退任及び代表権の喪失を登記したときと民法一一二条
共同代表の定があるのに代表取締役の一人が単独の代表名義で約束手形を振り出した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
一、株式会社の訴訟上の代表者と商法第一二条の適用の有無
二、議決権行使の代理人の資格を株主に制限する旨の定款の規定の効力
共同代表の定めがあるのに代表取締役が単独で代表権限を行使した場合に商法第二六二条の類推適用があるとされた事例
一 代表取締役、支配人らの業務執行についての取締役の監視義務
二 取締役が悪意または重過失により右監視義務を怠り第三者に損害を蒙らせた場合と商法第二六六条ノ三の適用
三 退任の登記および公告を経ない退任取締役と商法第二六六条ノ三の適用
商号変更に関する株主総会の決議前に、新商号のもとに振り出された約束手形につき会社が振出人としての責を負うとされた事例。
商号変更および代表取締役就任の登記の未了と会社の代表取締役として約束手形の振出をした者の手形上の責任。
商法第一二条〈他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止〉と第三者相互間における適用の有無
登記申請権者の申請に基づかないでされた不実の商業登記と商法一四条の適用の有無
一、取締役でないのに取締役就任登記を承諾した者と商法一四条の類推適用
二、商法一四条〈自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任〉の類推適用により取締役でないことを対抗できない登記簿上の取締役と同法二六六条の三所定の取締役としての責任
中小企業等協同組合法に基づく協同組合について「従たる事務所」の登記がある場合と商法第一四条の類推適用の有無
e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。
条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。