商業登記法 / テーマ別まとめ

登記手続/商号の登記

商号の登記の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

商業登記法は、商号を登記する際の要件と登記事項、登記後の変更・譲渡・相続・抹消の手続を定めています。同一の営業所に同一商号を重複登記できないことや、営業所を移転した場合・商号を廃止した場合に必要な登記、譲渡や相続による名義変更の添付書類、長期不使用時の抹消手続などが対象です。会社の商号については登記の場所が異なり、一部規定が適用されません。

商号の登記
場面申請できる者主な添付書面備考
新規登記が可能か登記しようとする者―同一営業所に同一商号があれば不可
営業所移転商号登記をした者―旧所在地は移転登記、新所在地は登記事項の登記
登記事項の変更・廃止商号登記をした者―変更・廃止時は登記を申請
商号の譲渡譲受人譲渡人の承諾書、商法該当証明書譲受人が申請
商号の相続相続人相続を証する書面相続人が申請
譲渡時の免責登記譲受人譲渡人の承諾書商法・会社法の免責規定に対応
相続人による申請一般相続人資格を証する書面譲渡・相続・免責登記に共通
商号登記の抹消同一場所で同一商号を使いたい者同一商号使用予定を証する書面廃止・2年不使用・変更・移転の未登記時
会社の商号登記会社―会社の登記簿で行い、一部規定は不適用
  • 同一商号・同一営業所の禁止は、営業所は会社では本店を指す。
  • 抹消申請の対象となる未登記事由は、廃止・正当事由のない2年間の不使用・変更・営業所移転の4類型。
  • 抹消申請には異議申立てに関する規定(第135条から第137条まで)が準用され、異議に理由があるとの決定がされた場合は抹消申請自体が却下される。
  • 会社については第28条・第29条・第30条第1項及び第2項は適用されない。
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商号の登記

商号の登記について、条文は何を定めているか。

第27条同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止同じ場所での同一商号の重複登記を禁止1項判例 1件
  • 他人が既に登記した商号と同じ名称・同じ営業所(会社は本店)では登記不可
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第28条登記事項等商号登記は営業所ごと、登記事項は4つ2項・4号判例なし
  • 営業所(会社は本店)ごとに登記する
  • 登記事項は商号・営業の種類・営業所・商号使用者の氏名及び住所の4点
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第29条変更等の登記営業所移転や事項変更・廃止は登記が必要2項判例なし
  • 管轄外への移転時は旧所在地で移転登記、新所在地で登記事項の登記を申請
  • 登記事項に変更が生じた場合や商号を廃止した場合も登記を申請
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第30条商号の譲渡又は相続の登記商号の譲渡・相続による変更登記の手続3項判例なし
  • 譲渡による変更登記は譲受人が申請
  • 譲渡時は譲渡人の承諾書と商法第15条第1項該当を証する書面を添付
  • 相続による変更登記には相続を証する書面を添付
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第31条営業又は事業の譲渡の際の免責の登記営業・事業譲渡時の免責登記も譲受人が申請2項判例なし
  • 商法第17条第2項前段・会社法第22条第2項前段の登記は譲受人が申請
  • 申請書に譲渡人の承諾書を添付
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第32条相続人による登記相続人が代わりに申請する際は資格証明が必要1項判例なし
  • 前3条〈事務の停止〉(譲渡・免責・相続)の登記を相続人が申請する場合、資格を証する書面を添付
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第33条商号の登記の抹消未登記のままなら第三者が抹消を申請できる4項・4号判例なし
  • 商号廃止・2年間の不使用(正当事由なし)・商号変更・営業所移転を登記していないとき対象
  • 同一場所で同一商号を使いたい者が抹消を申請できる
  • 異議に理由ありとの決定がされたときは抹消申請は却下
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第34条会社の商号の登記会社の商号登記は会社の登記簿で行う2項判例なし
  • 会社の商号登記は会社の登記簿にする
  • 第28条〈登記事項等〉・第29条〈変更等の登記〉・第30条第1項〈商号の譲渡又は相続の登記〉及び第2項は会社には適用されない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第27条商業登記法

一 商業登記法二四条〈申請の却下〉違反の瑕疵ある登記と審査請求が許される事由
二 商法一九条に反する登記申請が受理され登記が完了したときと審査請求の許否

裁判要旨一 登記の申請が商業登記法二四条各号所定の却下事由に該当していても、これが受理されて登記が完了したときは、審査請求により右登記の抹消を求めることができるのは、登記につき登記官による職権抹消事由が存することを理由とする場合に限られる。
二 商法一九条の規定に反し登記することができない商号の登記を目的とする登記申請でも、登記官がその申請を受理して登記を完了したときは、審査請求の方法によつて右登記の抹消を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年2月21日 昭和59(行ツ)232
登載
集民 第144号119頁
参照法条
商業登記法24条13号,商業登記法27条,商業登記法109条1項,商業登記法110条1項,商業登記法114条,商法19条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商業登記法 第27条(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止) 詳細ページ
(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)
第二十七条商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。
商業登記法 第28条(登記事項等) 詳細ページ
(登記事項等)
第二十八条商号の登記は、営業所ごとにしなければならない。
2商号の登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
一商号
二営業の種類
三営業所
四商号使用者の氏名及び住所
商業登記法 第29条(変更等の登記) 詳細ページ
(変更等の登記)
第二十九条商号の登記をした者は、その営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては営業所移転の登記を、新所在地においては前条第二項各号に掲げる事項の登記を申請しなければならない。
2商号の登記をした者は、前条第二項各号に掲げる事項に変更を生じたとき、又は商号を廃止したときは、その登記を申請しなければならない。
商業登記法 第30条(商号の譲渡又は相続の登記) 詳細ページ
(商号の譲渡又は相続の登記)
第三十条商号の譲渡による変更の登記は、譲受人の申請によつてする。
2前項の登記の申請書には、譲渡人の承諾書及び商法第十五条第一項の規定に該当することを証する書面を添付しなければならない。
3商号の相続による変更の登記を申請するには、申請書に相続を証する書面を添付しなければならない。
商業登記法 第31条(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記) 詳細ページ
(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記)
第三十一条商法第十七条第二項前段及び会社法第二十二条第二項前段の登記は、譲受人の申請によつてする。
2前項の登記の申請書には、譲渡人の承諾書を添付しなければならない。
商業登記法 第32条(相続人による登記) 詳細ページ
(相続人による登記)
第三十二条相続人が前三条の登記を申請するには、申請書にその資格を証する書面を添附しなければならない。
商業登記法 第33条(商号の登記の抹消) 詳細ページ
(商号の登記の抹消)
第三十三条次の各号に掲げる場合において、当該商号の登記をした者が当該各号に定める登記をしないときは、当該商号の登記に係る営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所において同一の商号を使用しようとする者は、登記所に対し、当該商号の登記の抹消を申請することができる。
一登記した商号を廃止したとき当該商号の廃止の登記
二商号の登記をした者が正当な事由なく二年間当該商号を使用しないとき当該商号の廃止の登記
三登記した商号を変更したとき当該商号の変更の登記
四商号の登記に係る営業所を移転したとき当該営業所の移転の登記
2前項の規定によつて商号の登記の抹消を申請する者は、申請書に当該商号の登記に係る営業所の所在場所において同一の商号を使用しようとする者であることを証する書面を添付しなければならない。
3第百三十五条から第百三十七条までの規定は、第一項の申請があつた場合に準用する。
4登記官は、前項において準用する第百三十六条の規定により異議が理由があるとする決定をしたときは、第一項の申請を却下しなければならない。
商業登記法 第34条(会社の商号の登記) 詳細ページ
(会社の商号の登記)
第三十四条会社の商号の登記は、会社の登記簿にする。
2第二十八条、第二十九条並びに第三十条第一項及び第二項の規定は、会社については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。