借地借家法 / テーマ別まとめ

借家/定期建物賃貸借等

定期建物賃貸借等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

借地借家法38条〜40条は、通常の建物賃貸借とは異なり、契約の更新がない借家契約を認める例外規定です。定期建物賃貸借(38条)は書面による契約と貸主の事前説明を条件に更新なし特約を可能にし、取壊し予定の建物の賃貸借(39条)は取壊し時点での終了を、一時使用目的の建物の賃貸借(40条)はそもそもこの章の規定自体を適用除外とします。実務担当者は、契約時に必要な書面・説明の有無と、更新の有無・終了時期の違いを押さえておく必要があります。

定期建物賃貸借等
類型契約の要式更新の有無終了・特徴
定期建物賃貸借公正証書等の書面更新なし説明書面必須、満了で終了
取壊し予定の建物賃貸借取壊事由を記載した書面取壊し時に終了取壊しが明らかな場合限定
一時使用目的の建物賃貸借書面の定めなし本章の規定を適用しない一時使用が明らかな場合限定
  • 定期建物賃貸借は、更新なしの説明を書面でしないと特約自体が無効になる
  • 期間が一年以上の定期建物賃貸借は、満了の一年前から六月前までに終了通知をしないと終了を主張できない
  • 床面積二百平方メートル未満の居住用の定期建物賃貸借は、やむを得ない事情があれば借主から中途解約でき、申入れの日から一月を経過すると終了する
  • 定期建物賃貸借で借賃改定の特約がある場合、借賃増減請求権の規定は適用されない
  • 取壊し予定の建物の賃貸借の特約は、取壊し事由を記載した書面(電磁的記録も可)が必要
  • 一時使用目的の建物の賃貸借には、借地借家法の建物賃貸借に関するこの章の規定が適用されない
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定期建物賃貸借等

定期建物賃貸借等について、条文は何を定めているか。

第38条定期建物賃貸借書面契約なら更新なしにできる9項判例 2件
  • 更新なしの説明を書面でしないと、その特約は無効になる
  • 期間が一年以上なら満了の一年前から六月前までに終了通知が必要
  • 床面積二百平方メートル未満の居住用は、やむを得ない事情で中途解約可
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第39条取壊し予定の建物の賃貸借取壊し予定建物は取壊し時に終了3項判例なし
  • 法令・契約で一定期間後に取壊すことが明らかな場合に限る
  • 取壊し事由を記載した書面(電磁的記録も可)が必要
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第40条一時使用目的の建物の賃貸借一時使用目的なら本章の規定は適用されない1項判例なし
  • 一時使用のためであることが明らかな賃貸借に限り適用除外
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第38条借地借家法

借地借家法38条2項〈定期建物賃貸借〉所定の書面が賃借人の認識にかかわらず契約書とは別個独立の書面であることの要否

裁判要旨借地借家法38条2項〈定期建物賃貸借〉所定の書面は,賃借人が,その契約に係る賃貸借は契約の更新がなく,期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず,契約書とは別個独立の書面であることを要する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年9月13日 平成22(受)1209
登載
民集 第66巻9号3263頁
参照法条
借地借家法38条
論点2第38条借地借家法

賃貸人から賃借人に対して借地借家法38条2項所定の書面の交付があったとした原審の認定に経験則又は採証法則に反する違法があるとされた事例

裁判要旨賃貸人が定期建物賃貸借契約の締結に先立ち説明書面の交付があったことにつき主張立証をしていないに等しいにもかかわらず,賃貸借契約に係る公正証書に説明書面の交付があったことを相互に確認する旨の条項があり,賃借人において上記公正証書の内容を承認していることのみから,借地借家法38条2項〈定期建物賃貸借〉において賃貸借契約の締結に先立ち契約書とは別に交付するものとされている説明書面の交付があったとした原審の認定には,経験則又は採証法則に反する違法がある。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成22年7月16日 平成21(受)120
登載
集民 第234号307頁
参照法条
借地借家法38条,民訴法247条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

借地借家法 第38条(定期建物賃貸借) 詳細ページ
(定期建物賃貸借)
第三十八条期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
3第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
4建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。
5建物の賃貸人が第三項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
6第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
7第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
8前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
9第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。
借地借家法 第39条(取壊し予定の建物の賃貸借) 詳細ページ
(取壊し予定の建物の賃貸借)
第三十九条法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、第三十条の規定にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる。
2前項の特約は、同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。
3第一項の特約がその内容及び前項に規定する事由を記録した電磁的記録によってされたときは、その特約は、同項の書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
借地借家法 第40条(一時使用目的の建物の賃貸借) 詳細ページ
(一時使用目的の建物の賃貸借)
第四十条この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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