借地借家法 / テーマ別まとめ

借地/借地条件の変更等

借地条件の変更等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

借地条件の変更、増改築、更新後の建物の再築、借地権の譲渡・転貸について、当事者間で協議が調わない場合に裁判所が借地権設定者の承諾に代わる許可等を与える仕組みを整理しています。裁判所はいずれも申立てに基づいて判断し、衡平を図るため借地条件の変更や財産上の給付を命じることもできます。

借地条件の変更等
条文場面申立人裁判所の対応
第17条1項借地条件が実情に合わない当事者借地条件の変更
第17条2項増改築を制限する条件がある借地権者承諾に代わる許可
第18条更新後に残存期間超の再築借地権者承諾に代わる許可
第19条1項借地上の建物の譲渡・転貸借地権者承諾に代わる許可
第19条3項設定者が自ら買い取る意向借地権設定者対価等を定め譲渡命令
第20条競売・公売で建物を取得第三者(建物取得者)承諾に代わる許可
  • 鑑定委員会の意見聴取は、17条・18条・19条・20条いずれも原則必須(特に必要がない場合を除く)
  • 転借地権が設定されている場合、転借地権者も17条・19条・20条の申立てができる
  • 19条・20条の許可では、借地条件の変更や財産上の給付など衡平のための処分もできる
  • 20条の申立ては建物代金を支払った後2か月以内に限られる
  • 19条3項の設定者による買取り申立ては、1項申立ての取下げ・却下で効力を失う
  • 19条3項の裁判があった後は、当事者の合意がなければ申立てを取り下げられない
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借地条件の変更等

借地条件の変更等について、条文は何を定めているか。

第17条借地条件の変更及び増改築の許可借地条件を裁判所が変更・許可できる6項判例なし
  • 用途等の制限が実情に合わなければ、協議不成立時に裁判所が変更可能
  • 増改築の制限がある場合も、借地権者の申立てで許可を得られる
  • 衡平のため他条件の変更や給付命令も可、鑑定委員会の意見聴取が原則必要
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第18条借地契約の更新後の建物の再築の許可更新後の建替えを裁判所が許可できる3項判例なし
  • 残存期間を超える建替えにやむを得ない事情があれば許可を得られる
  • 期間の延長や条件変更・給付命令などの衡平措置も可能
  • 建物の状況や従前の経過、双方の使用の必要性などを考慮
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第19条土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可借地権の譲渡・転貸を裁判所が許可7項判例 2件
  • 設定者に不利にならない譲渡・転貸なら、承諾に代わる許可を得られる
  • 衡平のため、条件変更や給付を許可の条件にできる
  • 設定者は裁判所が定める期間内に、自ら買い取る旨の申立てができる
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第20条建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可競売等で建物取得時の譲渡許可5項判例 2件
  • 競売・公売で建物を得た第三者も、承諾に代わる許可を申立てできる
  • 申立ては代金支払後2か月以内に限られる
  • 19条2項〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉から6項までの規定が準用される
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第21条強行規定17条〈借地条件の変更及び増改築の許可〉から19条〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に反する不利な特約は無効1項判例なし
  • 17条〈借地条件の変更及び増改築の許可〉・18条〈借地契約の更新後の建物の再築の許可〉・19条〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に反し借地権者や転借地権者に不利な特約は無効
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第19条借地借家法

賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物について,借地権設定者が,借地借家法20条2項〈建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可〉,19条3項〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることの許否

裁判要旨賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物を競売により取得した第三者が,借地借家法20条1項〈建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可〉に基づき,賃借権の譲渡の承諾に代わる許可を求める旨の申立てをした場合において,借地権設定者が,同条2項,同法19条3項〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年12月4日 平成18(許)45
登載
民集 第61巻9号3245頁
参照法条
借地借家法19条3項,借地借家法20条1項,2項
論点2第19条借地借家法

賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物について,借地権設定者が,借地借家法19条3項〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることの許否

裁判要旨借地権者が,賃借権の目的である土地と他の土地とにまたがって建築されている建物を第三者に譲渡するために,借地借家法19条1項〈土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可〉に基づき,賃借権の譲渡の承諾に代わる許可を求める旨の申立てをした場合において,借地権設定者が,同条3項に基づき,自ら当該建物及び賃借権の譲渡を受ける旨の申立てをすることは許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成19年12月4日 平成19(許)3
登載
集民 第226号387頁
参照法条
借地借家法19条1項,借地借家法19条3項
論点3第20条借地借家法

借地借家法20条1項〈建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可〉後段の付随的裁判として敷金を差し入れるべき旨を定めその交付を命ずることの可否

裁判要旨裁判所は,借地借家法20条〈建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可〉に基づく許可の裁判をする場合において,同条1項後段の付随的裁判として,相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め,その交付を命ずることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年11月21日 平成13(許)20
登載
民集 第55巻6号1014頁
参照法条
借地借家法20条1項,民法619条2項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

借地借家法 第17条(借地条件の変更及び増改築の許可) 詳細ページ
(借地条件の変更及び増改築の許可)
第十七条建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
2増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
3裁判所は、前二項の裁判をする場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。
4裁判所は、前三項の裁判をするには、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情を考慮しなければならない。
5転借地権が設定されている場合において、必要があるときは、裁判所は、転借地権者の申立てにより、転借地権とともに借地権につき第一項から第三項までの裁判をすることができる。
6裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項から第三項まで又は前項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
借地借家法 第18条(借地契約の更新後の建物の再築の許可) 詳細ページ
(借地契約の更新後の建物の再築の許可)
第十八条契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、延長すべき借地権の期間として第七条第一項の規定による期間と異なる期間を定め、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。
2裁判所は、前項の裁判をするには、建物の状況、建物の滅失があった場合には滅失に至った事情、借地に関する従前の経過、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。)が土地の使用を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3前条第五項及び第六項の規定は、第一項の裁判をする場合に準用する。
借地借家法 第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可) 詳細ページ
(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
第十九条借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
2裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3第一項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。
4前項の申立ては、第一項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
5第三項の裁判があった後は、第一項又は第三項の申立ては、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることができない。
6裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項又は第三項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
7前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
借地借家法 第20条(建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可) 詳細ページ
(建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可)
第二十条第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。
2前条第二項から第六項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。
3第一項の申立ては、建物の代金を支払った後二月以内に限り、することができる。
4民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十九条の規定は、同条に規定する期間内に第一項の申立てをした場合に準用する。
5前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第二項において準用する前条第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
借地借家法 第21条(強行規定) 詳細ページ
(強行規定)
第二十一条第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。