借地借家法 / テーマ別まとめ

借地/定期借地権等

定期借地権等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

借地借家法22条から25条は、通常の借地権とは異なり更新や買取請求を排除できる定期借地権等の制度を定めています。存続期間や建物の用途に応じて一般定期借地権、事業用定期借地権等、建物譲渡特約付借地権の3類型があり、それぞれ要件と契約方式が異なります。また、一時使用目的が明らかな借地にはこれらの規定が適用されません。

定期借地権等
種類存続期間建物の用途契約方式主な効果
一般定期借地権(22条)50年以上制限なし公正証書等の書面更新・延長・買取請求なし
事業用定期借地権(23条1項)30年以上50年未満事業用(居住用除く)公正証書更新・延長・買取請求なし
事業用借地権(23条2項)10年以上30年未満事業用(居住用除く)公正証書対抗要件等の規定を適用除外
建物譲渡特約付借地権(24条)設定後30年以上経過で消滅制限なし定めなし建物を地主へ譲渡し借地権消滅
一時使用目的の借地権(25条)定めなし臨時設備等の一時使用定めなし定期借地権等の規定を適用除外
  • 事業用借地権(23条2項)には24条の建物譲渡特約は設定できない
  • 23条1項・2項の借地権はいずれも契約を公正証書によらなければならない
  • 22条の特約は電磁的記録で行った場合も書面によるものとみなされる
  • 25条は一時使用が明らかな場合に3条~8条、13条、17条、18条、22条~24条を適用除外とする
1

定期借地権等

定期借地権等について、条文は何を定めているか。

第22条定期借地権50年以上の借地なら更新・買取請求をなくせる2項判例なし
  • 存続期間を50年以上にすると更新・築造延長・買取請求をしない特約ができる
  • 特約は公正証書など書面でしなければならない
  • 電磁的記録による特約も書面とみなされる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第23条事業用定期借地権等事業用の借地は期間により扱いが変わる3項判例なし
  • 30年以上50年未満なら更新・延長・買取請求なしの特約ができる
  • 10年以上30年未満なら対抗要件などの規定(3条〈借地権の存続期間〉~8条〈借地契約の更新後の建物の滅失による解約等〉,13条〈建物買取請求権〉,18条〈借地契約の更新後の建物の再築の許可〉)が適用されない
  • いずれも契約は公正証書でしなければならない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第24条建物譲渡特約付借地権30年経過後に建物を地主へ譲渡し借地権を消滅させる3項判例なし
  • 設定後30年以上経過した日に建物を借地権設定者へ相当の対価で譲渡する特約ができる
  • 譲渡後も使用を続ける借地権者等が請求すれば期間の定めのない賃貸借とみなされる
  • 借賃は当事者の請求により裁判所が定める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第25条一時使用目的の借地権一時使用が明らかな借地には定期借地権等の規定を適用しない1項判例なし
  • 臨時設備の設置その他一時使用のためと明らかな場合に適用される
  • 対抗要件・存続期間・定期借地権等に関する規定が適用されない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

借地借家法 第22条(定期借地権) 詳細ページ
(定期借地権)
第二十二条存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
2前項前段の特約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十八条第二項及び第三十九条第三項において同じ。)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなして、前項後段の規定を適用する。
借地借家法 第23条(事業用定期借地権等) 詳細ページ
(事業用定期借地権等)
第二十三条専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
3前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
借地借家法 第24条(建物譲渡特約付借地権) 詳細ページ
(建物譲渡特約付借地権)
第二十四条借地権を設定する場合(前条第二項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第九条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。
2前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。
3第一項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第三十八条第一項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。
借地借家法 第25条(一時使用目的の借地権) 詳細ページ
(一時使用目的の借地権)
第二十五条第三条から第八条まで、第十三条、第十七条、第十八条及び第二十二条から前条までの規定は、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。