手形法 / テーマ別まとめ

為替手形/保証

保証の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

為替手形の保証(手形保証)は、手形金額の全部または一部について支払いを担保するための制度です。保証人になれる人、保証の書き方や表示方法、保証人が負う責任の内容と支払後に取得できる権利までを条文が定めています。実務担当者は、誰が保証人になれるか、どこにどう署名するか、支払った後どうなるかを押さえておく必要があります。

保証
項目内容条文
保証できる人第三者、手形署名者も可30条
保証する場所手形本体または補箋31条
表示方法「保証」等の文字+署名31条
表面の単純署名保証とみなす(支払人・振出人除く)31条
被保証者の表示なし振出人のためとみなす31条
保証人の責任被保証者と同一の責任32条
保証の独立性方式の瑕疵以外は原因無効でも有効32条
支払後の権利被保証者とその債務者への手形上の権利取得32条
  • 支払人または振出人自身の署名は、表面への単なる署名であっても保証とはみなされない
  • 主たる債務が方式の瑕疵によって無効なときは、保証も無効となる
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保証

保証について、条文は何を定めているか。

第30条手形金額の全部・一部を保証で担保できる2項判例 2件
  • 第三者だけでなく、手形に署名した者も保証人になれる
  • 保証は手形金額の全部でも一部でも設定できる
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第31条保証は手形本体か補箋に書き、署名等で明示する4項判例 1件
  • 「保証」等の文字を書き、保証人が署名する
  • 手形表面への単なる署名だけでも保証とみなされる(支払人・振出人を除く)
  • 誰のための保証か書かなければ、振出人のための保証とみなす
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第32条保証人は被保証者と同じ責任を負う3項判例 7件
  • 保証人は被保証者と同一の責任を負う
  • 方式の瑕疵以外の理由なら、主債務が無効でも保証は有効
  • 保証人が支払うと、被保証者とその債務者への手形上の権利を取得する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第30条手形法

約束手形の第一裏書人及び第二裏書人がいずれも保証の趣旨で裏書したものである場合に手形を受戻した第二裏書人に対し第一裏書人が負うべき遡求義務の範囲

裁判要旨約束手形の第一裏書人及び第二裏書人がいずれも振出人の手形債務を保証する趣旨で裏書したものである場合において、第二裏書人が所持人から手形を受戻したうえ第一裏書人に対し遡求したときは、第一裏書人は民法四六五条一項の規定の限度においてのみ遡求に応じれば足り、右の遡求義務の範囲の基準となる裏書人間の負担部分につき特約がないときは、負担部分は平等である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和57年9月7日 昭和56(オ)851
登載
民集 第36巻8号1607頁
参照法条
民法427条,民法442条,民法465条1項,手形法17条,手形法30条1項,手形法47条1項,手形法47条3項,手形法49条,手形法77条1項1号,手形法77条1項4号,手形法77条3項
論点2第30条手形法

振出人との間で手形債務を負担しないことを約して手形保証をした者の受取人に対する抗弁の対抗

裁判要旨甲が乙に対して振り出した約束手形上に、丙が当該手形金の支払を負担しないことを甲に約して手形保証としての署名をした場合において、乙が右の事情を知つているかぎり、丙は乙に対し手形金の支払を拒むことができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和42年3月23日 昭和41(オ)977
登載
集民 第86号647頁
参照法条
手形法17条,手形法30条
論点3第31条手形法

一 手形の補箋の表面になした署名と手形保証の成否
二 申立てない事項について判決をした違法のある事例

裁判要旨一 約束手形の補箋の表面になした単なる署名は保証と看做すべきである。
二 約束手形の共同振出を原因として手形金の請求をしている場合に、手形保証を理由として請求を認容したときは、当事者の申立てない事項について判決をした違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年4月12日 昭和33(オ)643
登載
民集 第14巻5号825頁
参照法条
手形法31条3項,手形法77条3項,民訴法186条
論点4第32条手形法

中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合と手形保証

裁判要旨中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合がその組合員のために組合員の負担する手形債務につき手形保証をすることは、同法九条の八第一項四号所定の附帯業務として有効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年7月2日 昭和45(オ)231
登載
民集 第24巻7号731頁
参照法条
中小企業等協同組合法9条の8,民法43条,手形法32条
論点5第32条手形法

主たる債務者の手形債務の時効消滅と手形保証債務の消滅

裁判要旨主たる債務者の手形債務について消滅時効が完成したときは、手形保証債務も消滅する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年6月18日 昭和45(オ)18
登載
民集 第24巻6号544頁
参照法条
手形法32条,手形法71条,手形法77条1項8号,手形法77条3項
論点6第32条手形法

手形金債務の支払につき手形外の保証契約が締結されている場合と裏書によつて手形債権を取得した者の保証人に対する履行請求

裁判要旨約束手形の振出人のため手形金債務の支払につき受取人との間で手形外の保証契約が締結されている場合には、裏書によつて手形債権を取得した者は、これとともに保証債権を取得し、かつ、その取得につき対抗要件を具備することなく、保証人に対し保証債務の履行を求めることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年4月21日 昭和44(オ)188
登載
民集 第24巻4号283頁
参照法条
民法446条,民法467条,手形法14条,手形法32条
論点7第32条手形法

将来発生することあるべき債務の担保のために振り出された約束手形の受取人が右債務の不発生が確定した後に振出人のための手形保証人に対してする手形金請求と権利の濫用

裁判要旨将来発生することあるべき債務の担保のために振り出され、振出人のために手形保証のなされた約束手形の受取人は、手形振出の右原因関係上の債務の不発生が確定したときは、特別の事情のないかぎり、以後手形保証人に対して手形上の権利を行使すべき実質的理由を失つたものであつて、右手形を返還せず、手形が自己の手裡に存するのを奇貨として手形保証人に対し手形金を請求するのは、権利の濫用にあたり、手形保証人は受取人に対し手形金の支払を拒むことができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年3月31日 昭和44(オ)1118
登載
民集 第24巻3号182頁
参照法条
手形法77条,手形法32条1項,手形法32条2項,手形法17条,民法1条2項,民法1条3項
論点8第32条手形法

代理人が権限を濫用して約束手形の振出人のためにした手形上の保証と手形受取人に対する国税滞納処分として手形を差し押えた国に対する保証人の責任

裁判要旨代理人が、自己の利益をはかるため、代理権限を濫用して、約束手形の振出人のために、本人名義で手形上の保証をした場合において、代理人から手形の交付を受けた手形受取人が権限濫用の事実を知りうべきであったときは、受取人に対する国税滞納処分として右手形を差し押えて占有するに至つた国において、差押当時受取人の知情の点につき善意であつたことを主張立証しないかぎり、本人である保証人は、国に対し、手形上の保証による責任を負わない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年11月14日 昭和42(オ)694
登載
民集 第23巻11号2023頁
参照法条
民法93条但書,民法94条2項,手形法77条3項,手形法32条
論点9第32条手形法

約束手形の振出人のための保証人に対する所持人の権利は遡求手続の懈怠によつて失われるか。

裁判要旨約束手形の振出人のための保証人に対する所持人の権利は、所持人が遡求手続を懈怠したからといつて、失われることはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年5月28日 昭和39(オ)1283
登載
集民 第79号235頁
参照法条
手形法77条3項,手形法32条1項,手形法53条
論点10第32条手形法

約束手形の振出人のため手形保証をなした者は、受取人に対し、振出人の受取人に対する人的抗弁を以て対抗しうるか

裁判要旨約束手形の振出人のために手形保証をなした者は、振出人が受取人に対して有する人的抗弁を以つて受取人に対抗しえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年9月22日 昭和29(オ)660
登載
民集 第9巻10号1313頁
参照法条
手形法77条,手形法32条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

手形法 第30条 詳細ページ
第三十条為替手形ノ支払ハ其ノ金額ノ全部又ハ一部ニ付保証ニ依リ之ヲ担保スルコトヲ得
2第三者ハ前項ノ保証ヲ為スコトヲ得手形ニ署名シタル者ト雖モ亦同ジ
手形法 第31条 詳細ページ
第三十一条保証ハ為替手形又ハ補箋ニ之ヲ為スベシ
2保証ハ「保証」其ノ他之ト同一ノ意義ヲ有スル文字ヲ以テ表示シ保証人署名スベシ
3為替手形ノ表面ニ為シタル単ナル署名ハ之ヲ保証ト看做ス但シ支払人又ハ振出人ノ署名ハ此ノ限ニ在ラズ
4保証ニハ何人ノ為ニ之ヲ為スカヲ表示スルコトヲ要ス其ノ表示ナキトキハ振出人ノ為ニ之ヲ為シタルモノト看做ス
手形法 第32条 詳細ページ
第三十二条保証人ハ保証セラレタル者ト同一ノ責任ヲ負フ
2保証ハ其ノ担保シタル債務ガ方式ノ瑕疵ヲ除キ他ノ如何ナル事由ニ因リテ無効ナルトキト雖モ之ヲ有効トス
3保証人ガ為替手形ノ支払ヲ為シタルトキハ保証セラレタル者及其ノ者ノ為替手形上ノ債務者ニ対シ為替手形ヨリ生ズル権利ヲ取得ス
出

一次情報

原文ママ

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