手形法 / テーマ別まとめ

参加/参加引受

参加引受の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

参加引受は、満期前に遡求権が生じた場合に第三者(参加人)が引受人に代わって支払を約束し、所持人による満期前の遡求権行使を止めて手形の流通を維持するための制度です。手形法56条から58条は、参加引受ができる場面、その方式、参加引受人が負う責任、そして被参加人・その前者が持つ権利を定めています。

参加引受
場面/項目取扱い
対象手形引受呈示を禁じていない手形
できる時期満期前に遡求権がある場合
予備支払人がある場合拒絶証明後でなければ遡求不可
その他の場合所持人は参加引受を拒否できる
受諾した場合被参加人・前者への遡求権を失う
方式手形に記載し参加人が署名
被参加人の表示なし振出人のための参加引受とみなす
参加引受人の責任被参加人と同一の義務を負う
被参加人・前者の権利支払と引換に手形の交付請求可
  • 予備支払人の記載がある場合は、その者への呈示と拒絶証書による拒絶の証明がなければ、その記載をした者及びその後者に対する満期前の遡求権を行使できない。
  • 参加引受を所持人が受諾した場合に失うのは、被参加人及びその後者に対する満期前の遡求権に限る。
  • 参加引受には被参加人の表示が必要で、表示がなければ振出人のためにされたものとみなされる。
  • 被参加人及びその前者は、参加引受があっても手形金の支払と引換に手形の交付を請求できる(拒絶証書・受取記載の計算書があればその交付も請求可)。
1

参加引受

参加引受について、条文は何を定めているか。

第56条満期前に遡求権がある場合にできる3項判例なし
  • 引受呈示を禁じていない手形なら、満期前に遡求権が生じる場合に参加引受できる
  • 予備支払人の記載があれば、拒絶証明後でなければ満期前の遡求権を行使できない
  • それ以外の場合、所持人は参加引受を拒める。受諾すると満期前の遡求権を失う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第57条手形に記載し、被参加人を表示する1項判例なし
  • 参加引受は手形に記載し、参加人が署名して行う
  • 被参加人を表示する。表示がなければ振出人のための参加引受とみなす
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第58条参加引受人の責任と交付請求権2項判例 1件
  • 参加引受人は所持人・後の裏書人に対し被参加人と同一の義務を負う
  • 被参加人・その前者は支払と引換に手形の交付を請求できる
  • 拒絶証書・受取記載の計算書があれば、その交付も請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第58条手形法

一、銀行の貸付金債権についてされた期限の利益喪失約款の差押債権者に対する効力
二、手形の不渡異議申立手続に関し手形債務者が支払銀行に預託する預託金の返還債務の履行期

裁判要旨一、銀行の貸付金債権について、債務者に対し強制執行、仮差押等の手続が開始されたときは、なんらの通知、催告を要せず、右債務が当然期限の利益を失う旨の合意は、右貸付金債権を差し押えた者に対しても、その効力を対抗しうる。
二、手形の不渡異議申立手続に関し、手形債務者が支払銀行に預託する預託金の返還債務の履行期は、支払銀行が、手形交換所から、当該手形の不渡異議提供金の返還を受けた時に到来すべきものと解すべきである。
(一、について意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年8月20日 昭和42(オ)900
登載
集民 第100号333頁
参照法条
民法511条,民法646条,民訴法598条,手形法58条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

手形法 第56条 詳細ページ
第五十六条参加引受ハ引受ノ為ノ呈示ヲ禁ゼザル為替手形ノ所持人ガ満期前ニ遡求権ヲ有スル一切ノ場合ニ於テ之ヲ為スコトヲ得
2為替手形ニ支払地ニ於ケル予備支払人ヲ記載シタルトキハ手形ノ所持人ハ其ノ者ニ為替手形ヲ呈示シ且拒絶証書ニ依リ其ノ者ガ引受ヲ拒ミタルコトヲ証スルニ非ザレバ其ノ記載ヲ為シタル者及其ノ後者ニ対シ満期前ニ遡求権ヲ行フコトヲ得ズ
3参加ノ他ノ場合ニ於テハ所持人ハ参加引受ヲ拒ムコトヲ得若所持人ガ之ヲ受諾スルトキハ被参加人及其ノ後者ニ対シ満期前ニ有スル遡求権ヲ失フ
手形法 第57条 詳細ページ
第五十七条参加引受ハ為替手形ニ之ヲ記載シ参加人署名スベシ参加引受ニハ被参加人ヲ表示スベシ其ノ表示ナキトキハ振出人ノ為ニ之ヲ為シタルモノト看做ス
手形法 第58条 詳細ページ
第五十八条参加引受人ハ所持人及被参加人ヨリ後ノ裏書人ニ対シ被参加人ト同一ノ義務ヲ負フ
2被参加人及其ノ前者ハ参加引受ニ拘ラズ所持人ニ対シ第四十八条ニ規定スル金額ノ支払ト引換ニ為替手形ノ交付ヲ請求スルコトヲ得拒絶証書及受取ヲ証スル記載ヲ為シタル計算書アルトキハ其ノ交付ヲモ請求スルコトヲ得
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。