破産法 / テーマ別まとめ

破産債権/破産債権の届出

破産債権の届出の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産手続に参加するには、破産債権者が定められた期間内に債権額や原因などを裁判所に届け出る必要があります。別除権者・準別除権者はこれに加えて別除権に関する事項も届け出ます。届出期間を過ぎてから生じた債権の届出、届出名義の変更、租税等・罰金等の請求権の届出についても、それぞれ届出事項と期限が定められています。

破産債権の届出
届出の種類届出期限届出事項の要点根拠条文
通常の破産債権債権届出期間内額・原因、優先劣後の別など111条1項
別除権者の届出債権届出期間内別除権の目的財産・不足見込額111条2項
準別除権者の届出債権届出期間内別除権者と同様の事項111条3項
期間経過後の届出事由消滅後1か月以内責めに帰せない事由が必要112条1項
期間経過後発生の債権発生後1か月(不変期間)新たに生じた債権が対象112条3項
届出名義の変更一般調査期間経過後・期日終了後も可配当受領意思の届出が要る場合113条
租税等・罰金等の届出遅滞なく財団債権に該当しないもの114条
  • 自己への配当合計額が最高裁判所規則で定める額未満でも配当を受ける意思があるときは、その旨を届け出る(111条1項4号)
  • 準別除権者とは、108条2項に規定する特別の先取特権・質権・抵当権や破産債権を有する者をいう(111条3項)
  • 期間経過後の届出における1か月の期間は伸長も短縮もできない(112条2項)
  • 一般調査期間経過後・期日終了後に、届け出た事項を他の破産債権者の利益を害するよう変更する場合にも112条1項・2項の規律が準用される(112条4項)
  • 届出名義の変更を受ける者も、配当合計額が規則所定額未満でも受領する意思があればその旨を届け出る(113条2項)
  • 租税等・罰金等の請求権者が別除権者・準別除権者であるときは、別除権に関する事項も届け出る(114条後段)
1

破産債権の届出

破産債権の届出について、条文は何を定めているか。

第111条破産債権の届出破産債権者が届け出るべき事項を定める3項・7号判例 1件
  • 債権届出期間内に、額・原因、優先劣後の別などを届け出る
  • 自己への配当合計額が規則所定額未満でも受領する意思があればその旨を届け出る
  • 別除権者・準別除権者は目的財産と不足見込額も届け出る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第112条一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等期限後の届出ができる場合を定める4項判例 3件
  • 責めに帰せない事由による遅れなら、事由消滅後1か月以内に届出・変更ができる
  • この1か月の期間は伸長も短縮もできない
  • 期間経過後に生じた債権は発生後1か月の不変期間内に届け出る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第113条届出名義の変更債権を譲り受けた人の名義変更を定める2項判例なし
  • 一般調査期間経過後・期日終了後でも届出名義の変更を受けられる
  • 変更を受ける人も、配当合計額が規則所定額未満でも受領意思があればその旨を届け出る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第114条租税等の請求権等の届出租税等・罰金等の請求権の届出を定める1項・2号判例なし
  • 財団債権に該当しない租税等・罰金等の請求権は遅滞なく届け出る
  • 共助対象外国租税の請求権はその旨も届け出る
  • 別除権者・準別除権者であるときは111条2項〈破産債権の届出〉の届出事項も届け出る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第111条破産法

1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において,過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときにおける利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項にいう「元本」の額
2 民訴法260条2項の裁判を求める申立ての相手方が破産手続開始の決定を受けた場合における同申立てに係る請求権の破産債権該当性
3 本案請求と民訴法260条2項の申立てに係る請求とが併合されている場合における本案請求に係る部分についてのみの受継又は続行命令の許否
4 訴訟当事者の一方が破産手続開始の決定を受け,破産債権である当該訴訟に係る請求権につき破産債権としての届出がないのに破産管財人に対して違法にされた続行命令の瑕疵が治癒されるとされた事例

裁判要旨1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合において,過払金が発生している時点で新たな借入れをしたときには,利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項にいう「元本」の額は,新たな借入金に上記過払金を充当した後の額をいう。
2 民訴法260条2項の裁判を求める申立ての相手方が破産手続開始の決定を受けた場合における同申立てに係る請求権は,破産債権である。
3 本案請求と民訴法260条2項の裁判を求める申立てに係る請求とが併合されている訴訟手続の全部が中断した場合,同申立てについての適法な受継がされないまま,本案請求に係る部分についてのみ,当事者が受継の申立てをし,又は受訴裁判所が続行命令をすることは許されない。
4 訴訟当事者の一方が破産手続開始の決定を受け,破産債権である当該訴訟に係る請求権につき破産債権としての届出がないのに破産管財人に対して訴訟手続の続行命令が違法にされた瑕疵がある場合であっても,当該破産手続が既に終結し,かつ,破産管財人が当事者として関与した訴訟手続が全部勝訴判決の送達を受けたことなどにとどまるという事実関係の下においては,当該瑕疵は治癒される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年7月18日 平成23(受)1948
登載
集民 第244号55頁
参照法条
(1につき)利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項 (2,3につき)民訴法260条2項 (2につき)破産法2条5項 (3,4につき)民訴法129条 (3につき)民訴法124条,民訴法136条 (4につき)破産法100条1項,破産法111条1項,破産法220条
論点2第112条破産法

破産宣告決定およびこれに対する抗告事件についての抗告棄却決定と憲法八二条

裁判要旨破産宣告決定およびこれに対する抗告事件についての抗告棄却決定は、口頭弁論を経ないでなされても、憲法八二条に違反しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年6月24日 昭和41(ク)402
登載
民集 第24巻6号610頁
参照法条
破産法126条,破産法110条,破産法112条,憲法82条
論点3第112条破産法

破産宣告決定の送達を受けた破産者の同決定に対する即時抗告期間

裁判要旨破産宣告決定の送達を受けた破産者の同決定に対する即時抗告期間は,同決定の公告のあった日から起算して2週間である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成13年3月23日 平成12(許)42
登載
集民 第201号475頁
参照法条
破産法112条,破産法143条1項,破産法143条2項
論点4第112条破産法

免責決定につき送達及び公告がされた場合の即時抗告期間

裁判要旨免責決定につき送達及び公告がされた場合の即時抗告期間は、公告のあった日から起算して二週間である。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年7月26日 平成12(許)1
登載
民集 第54巻6号1981頁
参照法条
破産法112条・破産法117条・破産法366条ノ20
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第111条(破産債権の届出) 詳細ページ
(破産債権の届出)
第百十一条破産手続に参加しようとする破産債権者は、第三十一条第一項第一号又は第三項の規定により定められた破産債権の届出をすべき期間(以下「債権届出期間」という。)内に、次に掲げる事項を裁判所に届け出なければならない。
一各破産債権の額及び原因
二優先的破産債権であるときは、その旨
三劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であるときは、その旨
四自己に対する配当額の合計額が最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨
五前各号に掲げるもののほか、最高裁判所規則で定める事項
2別除権者は、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を届け出なければならない。
一別除権の目的である財産
二別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額
3前項の規定は、第百八条第二項に規定する特別の先取特権、質権若しくは抵当権又は破産債権を有する者(以下「準別除権者」という。)について準用する。
破産法 第112条(一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等) 詳細ページ
(一般調査期間経過後又は一般調査期日終了後の届出等)
第百十二条破産債権者がその責めに帰することができない事由によって第三十一条第一項第三号の期間(以下「一般調査期間」という。)の経過又は同号の期日(以下「一般調査期日」という。)の終了までに破産債権の届出をすることができなかった場合には、その事由が消滅した後一月以内に限り、その届出をすることができる。
2前項に規定する一月の期間は、伸長し、又は短縮することができない。
3一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に生じた破産債権については、その権利の発生した後一月の不変期間内に、その届出をしなければならない。
4第一項及び第二項の規定は、破産債権者が、その責めに帰することができない事由によって、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後に、届け出た事項について他の破産債権者の利益を害すべき変更を加える場合について準用する。
破産法 第113条(届出名義の変更) 詳細ページ
(届出名義の変更)
第百十三条届出をした破産債権を取得した者は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後でも、届出名義の変更を受けることができる。
2前項の規定により届出名義の変更を受ける者は、自己に対する配当額の合計額が第百十一条第一項第四号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思があるときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。
破産法 第114条(租税等の請求権等の届出) 詳細ページ
(租税等の請求権等の届出)
第百十四条次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。
一租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの
二罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。