破産法 / テーマ別まとめ

相続財産の破産等に関する特則/受遺者の破産

受遺者の破産の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

相続財産が破産した場合の遺贈の取扱いについて定めた規定です。包括受遺者が自ら破産手続開始の決定を受けた場合の扱いと、特定遺贈について破産者本人が承認・放棄をしていなかった場合に破産管財人が代わって判断できることを規定しています。

受遺者の破産
場面対象誰が判断できること
包括受遺者が破産包括受遺者(前節の規定を準用)前節の破産手続の規定が適用される
特定遺贈の承認・放棄未了破産者(特定受遺者)破産管財人承認又は放棄を破産者に代わって行う
  • 包括受遺者の破産については、前節(相続財産の破産に関する規定)が準用されるにとどまり、本文はその内容を規定していません。
  • 特定遺贈の承認・放棄を破産管財人が代わって行えるのは、破産手続開始の決定前に特定遺贈があり、かつ破産者が決定時点で承認・放棄をしていなかった場合に限られます。
  • 民法第987条(受遺者に対する遺贈の催告)の規定が、この特定遺贈の承認・放棄の場面について準用されます。
1

受遺者の破産

受遺者の破産について、条文は何を定めているか。

第243条包括受遺者の破産包括受遺者の破産には前節の規定を準用1項判例なし
  • 包括受遺者が破産手続開始の決定を受けた場合、相続財産の破産に関する前節の規定がそのまま当てはまる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第244条特定遺贈の承認又は放棄未決の特定遺贈は管財人が承認・放棄できる2項判例 2件
  • 破産手続開始決定前に特定遺贈があり、決定時点で破産者が承認・放棄をしていなかった場合が対象
  • 破産管財人が破産者に代わって承認又は放棄をすることができる
  • 民法第987条の規定がこの場合について準用される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第244条破産法

一 上告審における被告の破産と破産債権確定訴訟への訴えの変更
二 指名債権が二重に譲渡された場合に対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済と民法四七八条の適用
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対してした弁済について過失がないというための要件

裁判要旨一 給付訴訟の上告審係属中に被告が破産宣告を受け破産管財人が訴訟手続を受継した場合には、原告は、上告審において、右給付の訴えを破産債権確定の訴えに変更することができる。
二 指名債権が二重に譲渡された場合に、民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済についても、同法四七八条の適用がある。
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信じてした弁済について過失がないというためには、対抗要件を先に具備した譲受人の債権譲受又は対抗要件に瑕疵があるためその効力を生じないと誤信してもやむを得ない事情があるなど対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることを要する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年4月11日 昭和57(オ)272
登載
民集 第40巻3号558頁
参照法条
民訴法232条,破産法244条1項,破産法246条1項,民法467条,民法478条
論点2第244条破産法

建物収去土地明渡請求及び賃料相当損害金請求訴訟の係属中に被告が破産宣告を受けた場合と破産宣告までに発生した賃料相当損害金請求部分の訴訟の受継の手続

裁判要旨建物収去土地明渡請求及び賃料椙当損害金請求訴訟の係属中に被告が破産宣告を受けた場合、破産宣告の前日までに発生した賃料相当損害金請求部分の訴訟は、破産法六九条〈解除条件付債権を有する者による相殺〉所定の破産財団に属する財産に関する訴訟ではなく、同法二四六条〈外国管財人の権限等〉所定の破産債権の確定を求める訴訟であつて、その受継は、同法二四六条、二四四条二項〈特定遺贈の承認又は放棄〉、二四七条〈相互の手続参加〉の定める手続によつてすることを要する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年5月17日 昭和58(オ)333
登載
集民 第142号1頁
参照法条
破産法69条,破産法244条,破産法246条,破産法247条,民訴法214条,民訴法218条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第243条(包括受遺者の破産) 詳細ページ
(包括受遺者の破産)
第二百四十三条前節の規定は、包括受遺者について破産手続開始の決定があった場合について準用する。
破産法 第244条(特定遺贈の承認又は放棄) 詳細ページ
(特定遺贈の承認又は放棄)
第二百四十四条破産手続開始の決定前に破産者のために特定遺贈があった場合において、破産者が当該決定の時においてその承認又は放棄をしていなかったときは、破産管財人は、破産者に代わって、その承認又は放棄をすることができる。
2民法第九百八十七条の規定は、前項の場合について準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。