破産法 / テーマ別まとめ

取戻権

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

取戻権とは、破産者の財産ではないのに破産財団に含まれてしまっている財産について、本来の権利者が取り戻すための権利です。破産法62条が基本原則を定め、63条は運送中の物品の売主等について、64条は目的物がすでに譲渡された場合の取扱いについて定めています。実務担当者は、対象となる財産の状態に応じてどの条文が適用されるかを見分ける必要があります。

取戻権
種類根拠条文対象財産できること
一般の取戻権62条破産者に属しない財産破産財団から取り戻せる
運送中の物品の取戻権63条代金未払いで未着の物品物品を取り戻せる
代償的取戻権64条譲渡済みの取戻権目的物反対給付(請求権)の移転を請求できる
  • 破産管財人が代金全額を支払えば物品の引渡しを請求できる(63条1項ただし書)
  • 物品の買入れを委託された問屋にも63条が準用され、「代金」は「報酬及び費用」と読み替える(63条3項)
  • 63条の取戻権は破産法53条1項・2項の規定の適用を妨げない(63条2項)
  • 64条の代償的取戻権は、破産者・保全管理人が譲渡した場合と破産管財人が譲渡した場合の両方に適用される
  • 64条2項:破産管財人が既に反対給付を受け取っていた場合は、取戻権者はその受け取った財産の給付を請求できる
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取戻権

取戻権について、条文は何を定めているか。

第62条取戻権破産者のものでない財産は取り戻せる1項判例なし
  • 破産手続が始まっても、破産者に属しない財産を取り戻す権利には影響しない
  • この権利を「取戻権」と呼ぶ
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第64条代償的取戻権目的物が譲渡された後は反対給付を請求できる2項判例なし
  • 破産者・保全管理人または破産管財人が取戻権の目的財産を譲渡した場合、反対給付の請求権の移転を請求できる
  • 破産管財人が既に反対給付を受け取っていれば、その受け取った財産の給付を請求できる
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第63条運送中の物品の売主等の取戻権代金未払いで未着の物品は売主が取り戻せる3項判例なし
  • 発送した物品の代金が全額未払いで、買主が受け取る前に破産した場合、売主は取り戻せる
  • ただし破産管財人が代金全額を支払えば引渡しを請求できる
  • 物品の買入れを委託された問屋にも準用され、「代金」は「報酬及び費用」と読み替える
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第62条(取戻権)
(取戻権)
第六十二条破産手続の開始は、破産者に属しない財産を破産財団から取り戻す権利(第六十四条及び第七十八条第二項第十三号において「取戻権」という。)に影響を及ぼさない。
破産法 第64条(代償的取戻権)
(代償的取戻権)
第六十四条破産者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)が破産手続開始前に取戻権の目的である財産を譲り渡した場合には、当該財産について取戻権を有する者は、反対給付の請求権の移転を請求することができる。破産管財人が取戻権の目的である財産を譲り渡した場合も、同様とする。
2前項の場合において、破産管財人が反対給付を受けたときは、同項の取戻権を有する者は、破産管財人が反対給付として受けた財産の給付を請求することができる。
破産法 第63条(運送中の物品の売主等の取戻権)
(運送中の物品の売主等の取戻権)
第六十三条売主が売買の目的である物品を買主に発送した場合において、買主がまだ代金の全額を弁済せず、かつ、到達地でその物品を受け取らない間に買主について破産手続開始の決定があったときは、売主は、その物品を取り戻すことができる。ただし、破産管財人が代金の全額を支払ってその物品の引渡しを請求することを妨げない。
2前項の規定は、第五十三条第一項及び第二項の規定の適用を妨げない。
3第一項の規定は、物品の買入れの委託を受けた問屋がその物品を委託者に発送した場合について準用する。この場合において、同項中「代金」とあるのは、「報酬及び費用」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

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