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特別清算/清算の監督上必要な処分等

清算の監督上必要な処分等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

特別清算開始の命令があった会社では、裁判所が清算の適正を確保するため、財産の保全や株主名簿への記載禁止、役員等の責任に関する保全・免除禁止・取消し・査定といった処分を行うことができます。実務担当者は、どの処分がどの財産・誰を対象にでき、開始決定の前後でどう扱いが異なるかを押さえておく必要があります。

清算の監督上必要な処分等
処分申立権者開始前の可否内容
財産の保全処分債権者・清算人等/職権決定前も可処分禁止の仮処分等
株主名簿の記載等禁止債権者・清算人等/職権決定前も可記載・記録を禁止
役員等財産の保全処分清算株式会社/職権緊急なら決定前も可損害賠償請求権の保全
責任免除の禁止債権者・清算人等/職権規定なし対象役員等の免除を禁止
責任免除の取消し清算株式会社(自ら)開始前1年以内も対象訴え・抗弁で行使、2年で消滅
役員等責任査定決定清算株式会社/職権規定なし損害賠償請求権を裁判所が査定
  • 財産の保全処分に反してされた弁済等は、その保全処分がされたことを知っていた債権者に対しては効力を主張できない(540条3項)
  • 540条・541条・542条は、特別清算開始の申立てを却下する決定に即時抗告(890条5項)がされたときも同様に処分できる
  • 542条の開始前の保全処分は「緊急の必要があると認めるとき」に限られる
  • 544条は不正の目的でした責任免除も取消しの対象になり、免除の日から20年経過すると行使できなくなる
  • 545条で裁判所が職権により手続を開始するときは、その旨の決定をしなければならない
  • 545条の役員等責任査定決定の手続は、査定決定があった後のものを除き、特別清算が終了すると終了する
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清算の監督上必要な処分等

清算の監督上必要な処分等について、条文は何を定めているか。

第540条清算株式会社の財産に関する保全処分財産の処分を禁止するなど保全処分ができる3項判例なし
  • 裁判所は職権でも、債権者・清算人・監査役・株主の申立てでも命じられる
  • 開始の申立てから決定までの間も、必要なら同様の保全処分ができる
  • 保全処分に反した弁済等は、それを知っていた債権者には主張できない
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第541条株主名簿の記載等の禁止株主名簿への記載・記録を禁止できる2項判例なし
  • 裁判所が職権または申立てにより、株主名簿記載事項の記載・記録を禁止できる
  • 特別清算開始の申立てから決定までの間も同様の処分ができる
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第542条役員等の財産に対する保全処分役員等の財産に保全処分をかけられる2項判例なし
  • 発起人・設立時取締役等・清算人の損害賠償責任に基づき財産を保全できる
  • 開始前でも緊急の必要があれば同様の保全処分ができる
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第543条役員等の責任の免除の禁止対象役員等の責任免除を禁止できる1項判例なし
  • 裁判所が職権または申立てにより、責任免除そのものを禁止できる
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第544条役員等の責任の免除の取消し開始前後の責任免除を清算会社が取り消せる3項判例なし
  • 申立て後、または申立て前1年以内にした責任免除を取り消せる
  • 不正の目的でした責任免除も同様に取り消せる
  • 開始命令の日から2年、免除の日から20年で行使できなくなる
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第545条役員等責任査定決定役員等の損害賠償請求権を裁判所が査定4項判例なし
  • 申立てまたは職権により、損害賠償請求権の査定の裁判ができる
  • 職権で始める場合は、裁判所がその旨の決定をする
  • 申立てや決定があると、時効については裁判上の請求があったとみなす
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第540条(清算株式会社の財産に関する保全処分) 詳細ページ
(清算株式会社の財産に関する保全処分)
第五百四十条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社の財産に関し、その財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。
3裁判所が前二項の規定により清算株式会社が債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、債権者は、特別清算の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。
会社法 第541条(株主名簿の記載等の禁止) 詳細ページ
(株主名簿の記載等の禁止)
第五百四十一条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、清算株式会社が株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを禁止することができる。
2裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、前項の規定による処分をすることができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。
会社法 第542条(役員等の財産に対する保全処分) 詳細ページ
(役員等の財産に対する保全処分)
第五百四十二条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、発起人、設立時取締役、設立時監査役、第四百二十三条第一項に規定する役員等又は清算人(以下この款において「対象役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、当該対象役員等の財産に対する保全処分をすることができる。
2裁判所は、特別清算開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、前項の規定による保全処分をすることができる。特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、同様とする。
会社法 第543条(役員等の責任の免除の禁止) 詳細ページ
(役員等の責任の免除の禁止)
第五百四十三条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、清算の監督上必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任の免除の禁止の処分をすることができる。
会社法 第544条(役員等の責任の免除の取消し) 詳細ページ
(役員等の責任の免除の取消し)
第五百四十四条特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社は、特別清算開始の申立てがあった後又はその前一年以内にした対象役員等の責任の免除を取り消すことができる。不正の目的によってした対象役員等の責任の免除についても、同様とする。
2前項の規定による取消権は、訴え又は抗弁によって、行使する。
3第一項の規定による取消権は、特別清算開始の命令があった日から二年を経過したときは、行使することができない。当該対象役員等の責任の免除の日から二十年を経過したときも、同様とする。
会社法 第545条(役員等責任査定決定) 詳細ページ
(役員等責任査定決定)
第五百四十五条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、必要があると認めるときは、清算株式会社の申立てにより又は職権で、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(以下この条において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。
2裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。
3第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。
4役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、特別清算が終了したときは、終了する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。