会社法 / テーマ別まとめ

吸収分割/持分会社に権利義務を承継させる吸収分割

持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

会社が吸収分割をし、吸収分割承継会社が持分会社である場合について、吸収分割契約に定めるべき事項(760条)と、効力発生日における権利義務の承継・社員資格の取得・債権者保護の内容(761条)を整理しています。契約では承継する資産・債務、対価、社員となる場合の氏名・住所・出資額などを定める必要があります。効力発生日には契約の定めに従って権利義務が承継され、一定の債権者は承継財産の価額を限度に履行を請求できます。

持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約の記載事項
記載事項内容
商号・住所分割会社と承継持分会社の商号・住所
承継する権利義務資産・債務・雇用契約等
分割会社株式の承継承継させる株式に関する事項
社員となる場合氏名・住所・出資額など
対価の定め社債または財産の内容・数・額
効力発生日分割の効力が生じる日
持分のみ交付の定め株式取得や剰余金配当が持分のみの場合
  • 会社類型(合名・合資・合同)により社員の記載事項が一部異なり、合資会社では無限責任・有限責任の別も定める
  • 催告を受けなかった債権者は、契約に請求不可の定めがあっても、分割会社・承継持分会社に価額限度で履行を請求できる
  • 残存債権者を害すると知って分割した場合の承継会社への請求権は、持分のみ交付の定め(760条七号)があるときは適用されない
  • 残存債権者の請求権は、知った時から2年、効力発生日から10年で消滅する
  • 分割会社について破産・再生・更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は承継会社への請求権を行使できない
  • 債権者異議手続が終了していない場合や吸収分割を中止した場合には、これらの規定は適用されない
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持分会社に権利義務を承継させる吸収分割

持分会社に権利義務を承継させる吸収分割について、条文は何を定めているか。

第760条持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約契約に定める承継内容や対価などの事項1項・7号判例なし
  • 承継会社・分割会社の商号住所、承継する資産債務雇用契約を定める
  • 分割会社が承継会社の社員になるときは氏名住所出資額を定める
  • 効力発生日や、対価となる社債その他財産の内容を定める
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第761条持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等承継持分会社が効力発生日に権利義務を承継する10項判例なし
  • 効力発生日に権利義務を承継し、分割会社は定めに従い社員や社債権者になる
  • 催告を受けなかった債権者は、承継財産の価額を限度に履行請求できる
  • 残存債権者を害すると知って分割した場合、承継会社に価額限度で請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第760条(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約) 詳細ページ
(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割契約)
第七百六十条会社が吸収分割をする場合において、吸収分割承継会社が持分会社であるときは、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一吸収分割会社及び持分会社である吸収分割承継会社(以下この節において「吸収分割承継持分会社」という。)の商号及び住所
二吸収分割承継持分会社が吸収分割により吸収分割会社から承継する資産、債務、雇用契約その他の権利義務(吸収分割株式会社の株式及び新株予約権に係る義務を除く。)に関する事項
三吸収分割により吸収分割株式会社の株式を吸収分割承継持分会社に承継させるときは、当該株式に関する事項
四吸収分割会社が吸収分割に際して吸収分割承継持分会社の社員となるときは、次のイからハまでに掲げる吸収分割承継持分会社の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項
イ合名会社当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額
ロ合資会社当該社員の氏名又は名称及び住所、当該社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別並びに当該社員の出資の価額
ハ合同会社当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額
五吸収分割承継持分会社が吸収分割に際して吸収分割会社に対してその事業に関する権利義務の全部又は一部に代わる金銭等(吸収分割承継持分会社の持分を除く。)を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
イ当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ当該金銭等が吸収分割承継持分会社の社債以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
六効力発生日
七吸収分割株式会社が効力発生日に次に掲げる行為をするときは、その旨
イ第百七十一条第一項の規定による株式の取得(同項第一号に規定する取得対価が吸収分割承継持分会社の持分(吸収分割株式会社が吸収分割をする前から有するものを除き、吸収分割承継持分会社の持分に準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)
ロ剰余金の配当(配当財産が吸収分割承継持分会社の持分のみであるものに限る。)
会社法 第761条(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等) 詳細ページ
(持分会社に権利義務を承継させる吸収分割の効力の発生等)
第七百六十一条吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割会社の権利義務を承継する。
2前項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、第七百八十九条第二項(第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の各別の催告を受けなかったもの(第七百八十九条第三項(第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する場合にあっては、不法行為によって生じた債務の債権者であるものに限る。次項において同じ。)は、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割会社に対して、吸収分割会社が効力発生日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
3第一項の規定にかかわらず、第七百八十九条第一項第二号の規定により異議を述べることができる吸収分割会社の債権者であって、同条第二項の各別の催告を受けなかったものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継持分会社に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであっても、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
4第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継持分会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。ただし、吸収分割承継持分会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
5前項の規定は、前条第七号に掲げる事項についての定めがある場合には、適用しない。
6吸収分割承継持分会社が第四項の規定により同項の債務を履行する責任を負う場合には、当該責任は、吸収分割会社が残存債権者を害することを知って吸収分割をしたことを知った時から二年以内に請求又は請求の予告をしない残存債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。効力発生日から十年を経過したときも、同様とする。
7吸収分割会社について破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があったときは、残存債権者は、吸収分割承継持分会社に対して第四項の規定による請求をする権利を行使することができない。
8前条第四号に規定する場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、同号に掲げる事項についての定めに従い、吸収分割承継持分会社の社員となる。この場合においては、吸収分割承継持分会社は、効力発生日に、同号の社員に係る定款の変更をしたものとみなす。
9前条第五号イに掲げる事項についての定めがある場合には、吸収分割会社は、効力発生日に、吸収分割契約の定めに従い、同号イの社債の社債権者となる。
10前各項の規定は、第七百八十九条(第一項第三号及び第二項第三号を除き、第七百九十三条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第八百二条第二項において準用する第七百九十九条(第二項第三号を除く。)の規定による手続が終了していない場合又は吸収分割を中止した場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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