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特別清算/清算株式会社の行為の制限等

清算株式会社の行為の制限等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

特別清算開始の命令があった後、清算株式会社が財産の処分や借財、事業譲渡などの重要な行為をするには、原則として裁判所の許可(監督委員がいる場合はその同意)が必要になります。あわせて、協定債権者への弁済の仕方、財産の換価方法、担保権者に処分期間を区切る仕組みも定められています。実務担当者は、何をする前に裁判所の許可が必要かを最初に確認することが重要です。

清算株式会社の行為の制限等
行為類型制限の内容例外・除外違反等の効果
財産処分・借財・訴訟等(535条)裁判所の許可(監督委員同意)が必要少額・裁判所が指定した場合等は不要無効(善意の第三者に対抗不可)
事業の全部譲渡(536条1号)裁判所の許可が必要―無効(535条3項準用)
事業の重要な一部譲渡(536条2号)裁判所の許可が必要総資産の5分の1以下は除外(定款で引下げ可)無効(535条3項準用)
子会社株式等の譲渡(536条3号)裁判所の許可が必要5分の1以下、又は過半数保有は除外無効(535条3項準用)
協定債権への弁済(537条)債権額の割合に応じて弁済裁判所許可で少額等は割合超え可―
財産の換価(538条)民事執行法等の手続で換価可535条1項1号の許可は適用除外担保権者は換価を拒めない
担保権者の処分期間(539条)裁判所が処分期間を指定できる―期間内に処分しないと権利を失う
  • 監督委員が選任されている場合は、裁判所の許可に代えてその同意で足りる(535条1項ただし書)。
  • 535条1項の許可が不要となる少額の基準は最高裁判所規則で定める(535条2項1号)。
  • 事業の重要な一部譲渡・子会社株式等譲渡の「5分の1」は、これを下回る割合を定款で定めた場合はその割合による。
  • 子会社株式等の譲渡で許可が必要なのは、帳簿価額が5分の1超で、かつ譲渡後に議決権の過半数を有しない場合に限る。
  • 会社法第7章(事業譲渡等の株主総会決議等)の規定は、467条1項5号を除き特別清算には適用されない(536条3項)。
  • 担保権の目的財産の換価では民事執行法63条・129条は適用されず、担保権者の取り分が未確定のときは代金を別に寄託する(538条3項・4項)。
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清算株式会社の行為の制限等

清算株式会社の行為の制限等について、条文は何を定めているか。

第535条清算株式会社の行為の制限財産処分・借財・訴訟などは裁判所の許可が必要3項・8号判例なし
  • 財産処分・借財・訴訟・和解・仲裁合意・権利放棄などは許可が必要
  • 監督委員がいる場合は許可の代わりにその同意でよい
  • 許可・同意を得ない行為は無効(善意の第三者には対抗不可)
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第536条事業の譲渡の制限等事業譲渡や子会社株式譲渡も許可が必要3項・3号判例なし
  • 事業の全部譲渡、事業の重要な一部譲渡は裁判所の許可が必要
  • 重要な一部譲渡・子会社株式等譲渡は総資産の5分の1超が目安(定款で引下げ可)
  • 許可を得ない行為は無効(善意の第三者には対抗不可)
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第537条債務の弁済の制限協定債権者への弁済は原則債権額の割合どおり2項判例なし
  • 協定債権者には債権額の割合に応じて弁済しなければならない
  • 裁判所の許可があれば少額債権や担保付き債権は割合を超えて弁済できる
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第538条換価の方法財産の換価は民事執行法の手続でも行える4項判例なし
  • 民事執行法等の手続で換価する場合は535条1号〈清算株式会社の行為の制限 財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。)〉の許可は不要
  • 担保権付き財産も換価でき、担保権者は換価を拒めない
  • 担保権者の取り分が未確定なら代金を別に寄託する
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第539条担保権者が処分をすべき期間の指定担保権者に処分すべき期間を裁判所が指定できる2項判例なし
  • 担保権者が法定外の方法で処分する権利を持つ場合が対象
  • 裁判所は清算株式会社の申立てにより処分期間を定められる
  • 期間内に処分しないと担保権者はその処分権を失う
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第535条(清算株式会社の行為の制限) 詳細ページ
(清算株式会社の行為の制限)
第五百三十五条特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、第五百二十七条第一項の規定により監督委員が選任されているときは、これに代わる監督委員の同意を得なければならない。
一財産の処分(次条第一項各号に掲げる行為を除く。)
二借財
三訴えの提起
四和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
五権利の放棄
六その他裁判所の指定する行為
2前項の規定にかかわらず、同項第一号から第五号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。
一最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。
二前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。
3第一項の許可又はこれに代わる監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
会社法 第536条(事業の譲渡の制限等) 詳細ページ
(事業の譲渡の制限等)
第五百三十六条特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
一事業の全部の譲渡
二事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。)
三その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)
イ当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が当該清算株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。
ロ当該清算株式会社が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。
2前条第三項の規定は、前項の許可を得ないでした行為について準用する。
3第七章(第四百六十七条第一項第五号を除く。)の規定は、特別清算の場合には、適用しない。
会社法 第537条(債務の弁済の制限) 詳細ページ
(債務の弁済の制限)
第五百三十七条特別清算開始の命令があった場合には、清算株式会社は、協定債権者に対して、その債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。
2前項の規定にかかわらず、清算株式会社は、裁判所の許可を得て、少額の協定債権、清算株式会社の財産につき存する担保権によって担保される協定債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない協定債権に係る債務について、債権額の割合を超えて弁済をすることができる。
会社法 第538条(換価の方法) 詳細ページ
(換価の方法)
第五百三十八条清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、その財産の換価をすることができる。この場合においては、第五百三十五条第一項第一号の規定は、適用しない。
2清算株式会社は、民事執行法その他強制執行の手続に関する法令の規定により、第五百二十二条第二項に規定する担保権(以下この条及び次条において単に「担保権」という。)の目的である財産の換価をすることができる。この場合においては、当該担保権を有する者(以下この条及び次条において「担保権者」という。)は、その換価を拒むことができない。
3前二項の場合には、民事執行法第六十三条及び第百二十九条(これらの規定を同法その他強制執行の手続に関する法令において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
4第二項の場合において、担保権者が受けるべき金額がまだ確定していないときは、清算株式会社は、代金を別に寄託しなければならない。この場合においては、担保権は、寄託された代金につき存する。
会社法 第539条(担保権者が処分をすべき期間の指定) 詳細ページ
(担保権者が処分をすべき期間の指定)
第五百三十九条担保権者が法律に定められた方法によらないで担保権の目的である財産の処分をする権利を有するときは、裁判所は、清算株式会社の申立てにより、担保権者がその処分をすべき期間を定めることができる。
2担保権者は、前項の期間内に処分をしないときは、同項の権利を失う。
出

一次情報

原文ママ

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