甲会社がレストラン営業を開始するにつき従業員乙を支配人格とし、同丙をコック長として両名に一任し、外一一名の従業員とともに営業に従事させ、営業遂行に必要な限りにおいて継続的にその店舗を専用させていた、との事実関係のもとにおいて、右乙、丙ら一三名の従業員をもつて甲会社の占有補助者であるとしながら、乙、丙らが甲会社に対し退職届を提出することにより爾後みずから本件店舗を占有する旨を表明した場合につき、乙、丙らによる右店舗の占有侵奪を肯定するためには、甲会社が他の従業員により右店舗の営業を継続しようとするのを乙、丙らにおいて実力で防止する等占有秩序が力によつて破壊されたと目すべき事情を必要とするとの見解を前提にし、右事情の認められないことを理由として、乙、丙らによる占有侵奪を否定したのは、民法
二〇〇条〈占有回収の訴え〉の解釈適用を誤つたものである。