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所有権/所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令

所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

所有者を知ることができない、または所在を知ることができない土地・建物について、裁判所が利害関係人の請求により管理人を選任し、管理を命じることができる制度です。管理人には対象財産の管理・処分権が専属し、権限の範囲、訴訟上の扱い、義務、解任・辞任、報酬等のルールが定められています。

所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令
比較項目所有者不明土地管理命令所有者不明建物管理命令
対象土地(共有持分を含む)建物(共有持分を含む)
効力が及ぶ動産土地上の動産(所有者等所有分)建物内の動産(所有者等所有分)
追加で及ぶ権利なし敷地利用権(賃借権等、所有権除く)
管理人所有者不明土地管理人所有者不明建物管理人
権限・義務等の規定264条の3〜7264条の3〜7を準用
  • 動産に効力が及ぶのは、土地・建物の所有者や共有持分権者が所有するものに限られる
  • 建物の場合の敷地利用権は賃借権など使用収益目的の権利で、所有権は含まれない
  • 命令が取り消された後でも、管理人が得た財産について必要があれば改めて命令できる
  • 保存行為・性質を変えない利用改良行為を超える行為には裁判所の許可が必要
  • 裁判所の許可がなくても、そのことを善意の第三者には対抗できない
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所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令

所有者不明土地管理命令及び所有者不明建物管理命令について、条文は何を定めているか。

第264_2条所有者不明土地管理命令所有者不明の土地に管理命令を出せる4項判例なし
  • 利害関係人の請求により、裁判所が管理を命ずる処分を行う
  • 命令の効力は土地上の動産(所有者等が所有するもの)にも及ぶ
  • 命令を発するときは必ず管理人を選任する
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第264_3条所有者不明土地管理人の権限土地の管理・処分権は管理人に専属する2項・2号判例なし
  • 保存行為と、性質を変えない範囲の利用・改良行為は許可不要
  • それを超える行為には裁判所の許可が必要
  • 許可がなくても善意の第三者には対抗できない
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第264_4条所有者不明土地等に関する訴えの取扱い土地に関する訴えは管理人が当事者になる1項判例なし
  • 所有者不明土地等に関する訴えは、管理人を原告または被告とする
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第264_5条所有者不明土地管理人の義務管理人は善管注意義務を負う2項判例なし
  • 所有者(共有持分権者を含む)のために善良な管理者の注意で行動する
  • 共有持分が対象のときは、持分権者全員のため誠実・公平に行動する
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第264_6条所有者不明土地管理人の解任及び辞任任務違反や正当な事由で解任・辞任できる2項判例なし
  • 任務違反で著しい損害等があれば、利害関係人の請求で解任できる
  • 正当な事由があれば、裁判所の許可を得て辞任できる
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第264_7条所有者不明土地管理人の報酬等管理人は費用前払いと報酬を受けられる2項判例なし
  • 額は裁判所が定め、対象財産から前払い・報酬を受け取る
  • 費用・報酬は所有者(共有持分権者を含む)の負担となる
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第264_8条所有者不明建物管理命令建物にも同様の管理命令制度がある5項判例なし
  • 効力は建物内の動産と、敷地利用権(賃借権等)にも及ぶ
  • 権限・義務・解任・報酬等は264条の3〈所有者不明土地管理人の権限〉〜7を準用する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第264_2条(所有者不明土地管理命令) 詳細ページ
(所有者不明土地管理命令)
第二百六十四条の二裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地(土地が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る土地又は共有持分を対象として、所有者不明土地管理人(第四項に規定する所有者不明土地管理人をいう。以下同じ。)による管理を命ずる処分(以下「所有者不明土地管理命令」という。)をすることができる。
2所有者不明土地管理命令の効力は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地(共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である土地)にある動産(当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。
3所有者不明土地管理命令は、所有者不明土地管理命令が発せられた後に当該所有者不明土地管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び当該所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産の管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。
4裁判所は、所有者不明土地管理命令をする場合には、当該所有者不明土地管理命令において、所有者不明土地管理人を選任しなければならない。
民法 第264_3条(所有者不明土地管理人の権限) 詳細ページ
(所有者不明土地管理人の権限)
第二百六十四条の三前条第四項の規定により所有者不明土地管理人が選任された場合には、所有者不明土地管理命令の対象とされた土地又は共有持分及び所有者不明土地管理命令の効力が及ぶ動産並びにその管理、処分その他の事由により所有者不明土地管理人が得た財産(以下「所有者不明土地等」という。)の管理及び処分をする権利は、所有者不明土地管理人に専属する。
2所有者不明土地管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、この許可がないことをもって善意の第三者に対抗することはできない。
一保存行為
二所有者不明土地等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
民法 第264_4条(所有者不明土地等に関する訴えの取扱い) 詳細ページ
(所有者不明土地等に関する訴えの取扱い)
第二百六十四条の四所有者不明土地管理命令が発せられた場合には、所有者不明土地等に関する訴えについては、所有者不明土地管理人を原告又は被告とする。
民法 第264_5条(所有者不明土地管理人の義務) 詳細ページ
(所有者不明土地管理人の義務)
第二百六十四条の五所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)のために、善良な管理者の注意をもって、その権限を行使しなければならない。
2数人の者の共有持分を対象として所有者不明土地管理命令が発せられたときは、所有者不明土地管理人は、当該所有者不明土地管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。
民法 第264_6条(所有者不明土地管理人の解任及び辞任) 詳細ページ
(所有者不明土地管理人の解任及び辞任)
第二百六十四条の六所有者不明土地管理人がその任務に違反して所有者不明土地等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明土地管理人を解任することができる。
2所有者不明土地管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。
民法 第264_7条(所有者不明土地管理人の報酬等) 詳細ページ
(所有者不明土地管理人の報酬等)
第二百六十四条の七所有者不明土地管理人は、所有者不明土地等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。
2所有者不明土地管理人による所有者不明土地等の管理に必要な費用及び報酬は、所有者不明土地等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)の負担とする。
民法 第264_8条(所有者不明建物管理命令) 詳細ページ
(所有者不明建物管理命令)
第二百六十四条の八裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物(建物が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る建物又は共有持分を対象として、所有者不明建物管理人(第四項に規定する所有者不明建物管理人をいう。以下この条において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「所有者不明建物管理命令」という。)をすることができる。
2所有者不明建物管理命令の効力は、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物(共有持分を対象として所有者不明建物管理命令が発せられた場合にあっては、共有物である建物)にある動産(当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)及び当該建物を所有し、又は当該建物の共有持分を有するための建物の敷地に関する権利(賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(所有権を除く。)であって、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物の所有者又は共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。
3所有者不明建物管理命令は、所有者不明建物管理命令が発せられた後に当該所有者不明建物管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明建物管理命令の対象とされた建物又は共有持分並びに当該所有者不明建物管理命令の効力が及ぶ動産及び建物の敷地に関する権利の管理、処分その他の事由により所有者不明建物管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。
4裁判所は、所有者不明建物管理命令をする場合には、当該所有者不明建物管理命令において、所有者不明建物管理人を選任しなければならない。
5第二百六十四条の三から前条までの規定は、所有者不明建物管理命令及び所有者不明建物管理人について準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。