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先取特権/総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

先取特権は、法律の定めに従い、債務者の特定の財産から他の債権者より先に自己の債権の弁済を受けられる権利です。総則部分では、この優先弁済権の基本的な内容に加え、目的物が売却・滅失などで金銭等に姿を変えた場合の効力(物上代位)や、一部弁済を受けても権利全体が消えないという性質(不可分性)を定めています。

比較表
条文規定内容実務ポイント
303条優先弁済権の根拠他の債権者に先立ち弁済を受けられる
304条物上代位代金等にも及ぶが差押えが必要
305条不可分性296条を準用
  • 304条の物上代位は、金銭等が債務者に払い渡し・引渡しされる前に先取特権者が差押えをした場合に限られる。
  • 304条2項は、債務者が先取特権の目的物に設定した物権の対価についても同様に物上代位が認められると定める。
  • 305条は不可分性の具体的な内容そのものを定めず、296条を準用する旨のみを規定している。
1

総則

総則について、条文は何を定めているか。

第303条先取特権の内容1項判例 1件
第304条物上代位2項判例 26件
第305条先取特権の不可分性1項判例なし
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第303条民法

商法704条2項にいう先取特権と民法上の先取特権

裁判要旨商法704条2項にいう先取特権には,民法上の先取特権も含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年2月5日 平成13(許)10
登載
集民 第205号395頁
参照法条
民法303条,商法704条2項
論点2第304条民法

物上代位権の行使としての債権差押えと被差押債権の消滅時効中断の有無

裁判要旨抵当権者が物上代位権の行使として債務者の有する債権を差し押さえても、被差押債権の消滅時効は中断されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年7月15日 昭和60(オ)977
登載
集民 第154号333頁
参照法条
民法147条2号,民法304条,民法372条,民事執行法145条,民事執行法193条
論点3第304条民法

動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者が自ら目的債権を強制執行によつて差し押さえたときに競合する差押債権者等がある場合と優先弁済を受ける方法

裁判要旨動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者は、自ら目的債権を強制執行によつて差し押さえても、他に競合する差押債権者等がある場合は、配当要求の終期までに、担保権を証する文書を提出して、先取特権に基づく配当要求又はこれに準ずる先取特権行使の申出をしなければ、優先弁済を受けることができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年4月2日 昭和60(オ)232
登載
集民 第150号575頁
参照法条
民法304条,民事執行法143条,民事執行法154条,民事執行法165条,民事執行法193条
論点4第304条民法

一 先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたのちの先取特権者による物上代位権の行使
二 優先権を有する債権者の得た転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押、仮差押の執行又は配当要求をした場合における転付命令の効力
三 差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者が民事執行法一五六条二項に基づいてした供託の効力
四 差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者のした供託に基づき転付命令が効力を生じないとの解釈のもとに配当表が作成された場合と効力の生じた転付命令を得た債権者の不服申立方法

裁判要旨一 先取特権者による物上代位権行使の目的となる債権について一般債権者が差押又は仮差押の執行をしたにすぎないときは、そののちに先取特権者が右債権に対し物上代位権を行使することを妨げない。
二 転付命令が第三債務者に送達される時までに転付命令に係る金銭債権について他の債権者が差押、仮差押の執行又は配当要求をした場合でも、転付命令を得た債権者が優先権を有するときは、転付命令はその効力を生じる。
三 差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者が民事執行法一五六条二項に基づいてした供託は、転付命令が効力を生じているため法律上差押の競合があるとはいえない場合であつても、第三債務者に転付命令の効力の有無についての的確な判断を期待しえない事情があるときは、同項の類推適用により有効である。
四 差押命令の送達と転付命令の送達とを競合して受けた第三債務者のした供託が民事執行法一五六条二項の類推適用により有効である場合において、右供託金について転付命令が効力を生じないとの解釈のもとに配当表が作成されたときは、効力の生じた転付命令を得た債権者は、配当期日における配当異議の申出さらには配当異議の訴えにより転付命令に係る債権につき優先配当を主張して配当表の変更を求めることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年7月19日 昭和58(オ)1548
登載
民集 第39巻5号1326頁
参照法条
民法304条1項但書,民事執行法90条,民事執行法143条,民事執行法156条2項,民事執行法159条3項,民事執行法178条
論点5第304条民法

一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産に債権者を異にする後順位抵当権が設定され乙不動産が先に競売された場合に甲不動産から弁済を受けるときにおける甲不動産の後順位抵当権者と乙不動産の後順位抵当権者の優劣
二 物上保証人がその所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で代位権不行使の特約をした場合と物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者の優先弁済を受ける権利
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合の競落代金の配当についての債権者と代位弁済者との優劣

裁判要旨一 共同抵当の目的である債務者所有の甲不動産及び物上保証人所有の乙不動産にそれぞれ債権者を異にする後順位抵当権が設定されている場合において、乙不動産が先に競売されて一番抵当権者が弁済を受けたときは、乙不動産の後順位抵当権者は、物上保証人に移転した甲不動産に対する一番抵当権から甲不動産の後順位抵当権者に優先して弁済を受けることができる。
二 物上保証人が、その所有の不動産及び債務者所有の不動産につき共同抵当権を有する債権者との間で、債権者の同意がない限り弁済等により取得する権利を行使しない旨の特約をしても、物上保証人所有の不動産の後順位抵当権者は、物上保証人が弁済等により代位取得する抵当権から優先弁済を受ける権利を失わない。
三 債権の一部につき代位弁済がされた場合、右債権を被担保債権とする抵当権の実行による競落代金の配当については、代位弁済者は債権者に劣後する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年5月23日 昭和56(オ)1175
登載
民集 第39巻4号940頁
参照法条
民法304条,民法351条,民法372条,民法392条2項,民法500条,民法501条,民法502条1項
論点6第304条民法

債務者が破産宣告を受けた場合と先取特権者の物上代位権

裁判要旨先取特権者は、債務者が破産宣告を受けた場合であつても、目的債権を差し押えて物上代位権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年2月2日 昭和56(オ)927
登載
民集 第38巻3号431頁
参照法条
民法304条1項但書,破産法92条
論点7第304条民法

抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者と施行者に対する右清算金支払請求の可否

裁判要旨抵当権が設定されている宅地についての土地区画整理法上の換地処分に伴う清算金債権に対し差押・転付命令を得た者は、抵当権者が物上代位のための差押をする前に右命令を得たとしても、抵当権者から供託しなくてもよい旨の申出がない限り、施行者に対し右清算金の支払を請求することができない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年12月8日 昭和56(オ)283
登載
民集 第37巻10号1517頁
参照法条
民法304条,民法371条,民訴法(昭和54年法律第4号による改正前のもの)601条,民事執行法160条,土地区画整理法112条1項
論点8第304条民法

一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における物上保証人と後順位低当権者との優劣
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として数個の抵当権が設定され物上保証人所有の不動産について先に競売がされた場合における後順位抵当権者の優先弁済権と登記又は差押の要否

裁判要旨一 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権から優先して弁済を受けることができる。
二 債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産とを共同抵当の目的として順位を異にする数個の抵当権が設定されている場合において、物上保証人所有の不動産について先に競売がされ、その競落代金の交付により一番抵当権者が弁済を受けたときは、後順位抵当権者は、物上保証人に移転した債務者所有の不動産に対する一番抵当権からの優先弁済権を主張するについて登記又は差押を必要としない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和53年7月4日 昭和50(オ)196
登載
民集 第32巻5号785頁
参照法条
民法177条,民法304条1項,民法351条,民法372条,民法392条2項
論点9第304条民法

抵当権の物上代位と抵当不動産に代わる仮差押解放金の取戻請求権

裁判要旨抵当権者が被担保債権を被保全債権として抵当不動産の仮差押をした場合において、仮差押債務者が仮差押解放金を供託して仮差押執行の取消を得たときには、抵当権の効力は、物上代位の規定の趣旨により、右仮差押解放金の取戻請求権に及ぶ。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年7月16日 昭和42(オ)342
登載
民集 第24巻7号965頁
参照法条
民法372条,民法304条,民訴法743条,民訴法754条
論点10第304条民法

物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定され甲所有の不動産が先に競売された場合における甲所有不動産の後順位抵当権者の地位

裁判要旨物上保証人甲所有の不動産と物上保証人乙所有の不動産を共同抵当の目的として抵当権が設定された場合において、甲所有の不動産が先に競売されて先順位抵当権者が弁済を受けたときは、甲所有不動産の後順位抵当権者は、甲が乙に対する求償権の範囲内において代位取得する乙所有不動産の先順位抵当権から優先して弁済を受けることができ、右優先弁済権を主張するについては登記を要しない。
(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年11月24日 昭和63(オ)1539
登載
集民 第158号225頁
参照法条
民法177条,民法304条1項,民法372条,民法392条2項,民法501条3号,民法501条4号
論点11第304条民法

抵当権の物上代位と抵当不動産について供託された賃料の還付請求権

裁判要旨抵当不動産が賃貸された場合においては、抵当権者は、民法三七二条〈留置権等の規定の準用〉、三〇四条〈物上代位〉の規定の趣旨に従い、賃借人が供託した賃料の還付請求権についても抵当権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年10月27日 昭和60(オ)1270
登載
民集 第43巻9号1070頁
参照法条
民法304条,民法372条,民法494条
論点12第304条民法

銀行が,輸入業者の輸入する商品に関して信用状を発行し,当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,上記輸入業者が当該商品を直接占有したことがなくても,上記輸入業者から占有改定の方法によりその引渡しを受けたものとされた事例

裁判要旨銀行であるXが,輸入業者であるYの輸入する商品に関して信用状を発行し,これによってYが負担する償還債務等に係る債権の担保として当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,次の(1)及び(2)の事情の下では,Yが当該商品を直接占有したことがなくても,Xは,Yから占有改定の方法により当該商品の引渡しを受けたものといえる。
(1) XとYとの間においては,輸入業者から委託を受けた海運貨物取扱業者によって輸入商品の受領等が行われ,輸入業者が目的物を直接占有することなく転売を行うことが一般的であったという輸入取引の実情の下,上記譲渡担保権の設定に当たり,XがYに対し輸入商品の貸渡しを行ってその受領等の権限を与える旨の合意がされていた。
(2) 海運貨物取扱業者は,金融機関が譲渡担保権者として当該商品の引渡しを占有改定の方法により受けることとされていることを当然の前提として,Yから当該商品の受領等の委託を受け,当該商品を受領するなどした。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年5月10日 平成28(許)26
登載
民集 第71巻5号789頁
参照法条
民法183条,民法304条,民法369条(譲渡担保),民事再生法45条,民事再生法53条1項,民事再生法53条2項
論点13第304条民法

構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶか

裁判要旨構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶ。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成22年12月2日 平成22(許)14
登載
民集 第64巻8号1990頁
参照法条
民法304条,民法369条(譲渡担保)
論点14第304条民法

動産売買の先取特権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

裁判要旨動産売買の先取特権者は,物上代位の目的債権が譲渡され,第三者に対する対抗要件が備えられた後においては,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年2月22日 平成16(受)1271
登載
民集 第59巻2号314頁
参照法条
民法304条,民法322条,民法467条
論点15第304条民法

抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告において被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることの可否

裁判要旨抵当権に基づく物上代位権の行使としてされた債権差押命令に対する執行抗告においては,被差押債権の不存在又は消滅を理由とすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年6月13日 平成13(許)30
登載
民集 第56巻5号1014頁
参照法条
民事執行法145条5項,民事執行法193条,民法304条1項,民法372条
論点16第304条民法

賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当

裁判要旨敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年3月28日 平成12(受)836
登載
民集 第56巻3号689頁
参照法条
民法304条1項,民法372条,民法511条,民法619条2項,民事執行法193条
論点17第304条民法

抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令の効力

裁判要旨抵当権の物上代位の目的となる債権に対する転付命令は,これが第三債務者に送達される時までに抵当権者により当該債権の差押えがなされなかったときは,その効力を妨げられない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成14年3月12日 平成12(受)890
登載
民集 第56巻3号555頁
参照法条
民法304条1項,民法372条,民事執行法159条,民事執行法160条,民事執行法193条
論点18第304条民法

抵当不動産の賃借人が抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって賃料債権に物上代位権の行使としての差押えをした抵当権者に対抗することの可否

裁判要旨抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は,抵当不動産の賃借人は,抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって,抵当権者に対抗することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年3月13日 平成11(受)1345
登載
民集 第55巻2号363頁
参照法条
民法304条1項,民法372条,民法505条,民事執行法193条
論点19第304条民法

抵当権に基づき物上代位権を行使する者が債権差押事件に配当要求することにより優先弁済を受けることの可否

裁判要旨抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は,他の債権者による債権差押事件に配当要求をすることによって優先弁済を受けることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成13年10月25日 平成13(受)91
登載
民集 第55巻6号975頁
参照法条
民法304条,民法372条,民事執行法154条,民事執行法193条1項
論点20第304条民法

抵当不動産の賃借人が取得する転貸賃料債権について抵当権者が物上代位権を行使することの可否

裁判要旨抵当権者は、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、右賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年4月14日 平成11(許)23
登載
民集 第54巻4号1552頁
参照法条
民法304条1項・民法372条・民法613条
論点21第304条民法

一 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使が認められた事例
二 動産譲渡担保権の設定者が破産宣告を受けた後における右譲渡担保権に基づく物上代位権行使の可否

裁判要旨一 銀行甲が、輸入業者乙のする商品の輸入について信用状を発行し、約束手形の振出しを受ける方法により乙に輸入代金決済資金相当額を貸し付けるとともに、乙から右約束手形金債権の担保として輸入商品に譲渡担保権の設定を受けた上、乙に右商品の貸渡しを行ってその処分権限を与えたところ、乙が、右商品を第三者に転売した後、破産の申立てをしたことにより右約束手形金債務につき期限の利益を失ったという事実関係の下においては、甲は、右商品に対する譲渡担保権に基づく物上代位権の行使として、転売された右商品の売買代金債権を差し押さえることができる。
二 動産譲渡担保権に基づく物上代位権の行使は、右譲渡担保権の設定者が破産宣告を受けた後においても妨げられない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成11年5月17日 平成10(許)2
登載
民集 第53巻5号863頁
参照法条
民法304条,民法369条(譲渡担保),破産法92条
論点22第304条民法

買戻特約付売買の目的不動産に設定された抵当権に基づく買戻代金債権に対する物上代位権行使の可否

裁判要旨買戻特約付売買の買主から目的不動産につき抵当権の設定を受けた者は、抵当権に基づく物上代位権の行使として、買戻権の行使により買主が取得した買戻代金債権を差し押さえることができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成11年11月30日 平成10(受)407
登載
民集 第53巻8号1965頁
参照法条
民法304条,民法372条,民法579条
論点23第304条民法

債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合における両者の優劣の判断基準

裁判要旨債権について一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権に基づく差押えが競合した場合には、両者の優劣は、一般債権者の申立てによる差押命令の第三債務者への送達と抵当権設定登記の先後によって決すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成10年3月26日 平成6(オ)1408
登載
民集 第52巻2号483頁
参照法条
民法177条,民法304条,民法372条,民事執行法145条
論点24第304条民法

抵当権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

裁判要旨抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年2月10日 平成8(オ)673
登載
集民 第187号47頁
参照法条
民法304条,民法372条,民法467条
論点25第304条民法

抵当権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

裁判要旨抵当権者は、物上代位の目的債権が譲渡され第三者に対する対抗要件が備えられた後においても、自ら目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成10年1月30日 平成9(オ)419
登載
民集 第52巻1号1頁
参照法条
民法304条,民法372条,民法467条
論点26第304条民法

一 請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することの可否
二 請負工事に用いられた動産の売主が請負代金債権の一部に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができるとされた事例

裁判要旨一 請負工事に用いられた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権を行使することができる。
二 甲から機械の設置工事を請け負った乙が右機械を代金一五七五万円で丙から買い受け、丙が乙の指示に基づいて右機械を甲に引き渡し、甲が乙に支払うべき二〇八〇万円の請負代金のうち一七四〇万円は右機械の代金に相当するなど判示の事実関係の下においては、乙の甲に対する一七四〇万円の請負代金債権につき右機械の転売による代金債権と同視するに足りる特段の事情があるということができ、丙は、動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年12月18日 平成10(許)4
登載
民集 第52巻9号2024頁
参照法条
民法304条,民法322条,民法632条
論点27第304条民法

抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力を抵当権者に対抗することができるか

裁判要旨抵当不動産の賃借人は、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に、賃貸人との間で、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意をしたとしても、当該合意の効力を抵当権者に対抗することはできない。
(意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年11月27日 令和3(受)1620
登載
民集 第77巻8号2188頁
参照法条
民法304条1項、民法372条、民法505条1項、民事執行法193条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第303条(先取特権の内容) 詳細ページ
(先取特権の内容)
第三百三条先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
民法 第304条(物上代位) 詳細ページ
(物上代位)
第三百四条先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
民法 第305条(先取特権の不可分性) 詳細ページ
(先取特権の不可分性)
第三百五条第二百九十六条の規定は、先取特権について準用する。
出

一次情報

原文ママ

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