民法 / テーマ別まとめ

総則/定型約款

定型約款の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

定型約款は、不特定多数の相手方と画一的な取引を行う場合に、契約条項をどのように組み込むかを定めた制度です。約款を契約内容とする合意の成立方法、相手方に不利益な条項を除外するルール、約款内容を示す義務、そして約款を事後的に変更する際の手続きを規定しています。実務担当者は、約款を使う場面と変更する場面とで必要な対応が異なる点を区別して理解する必要があります。

定型約款
場面要件効果
約款を契約内容にする合意契約内容とする旨の合意個別条項も合意したとみなす
約款準備者が事前表示あらかじめ契約内容とする旨を表示個別条項も合意したとみなす
不当な条項相手方の利益を一方的に害する合意しなかったとみなす
内容表示請求合意前後の相当期間内に請求遅滞なく相当な方法で示す
表示拒否(合意前)正当事由なく請求を拒否みなし合意の規定は不適用
変更(利益適合)相手方の一般の利益に適合個別合意なしに変更可
変更(合理性)目的に反せず合理的な変更個別合意なしに変更可
変更の周知効力発生時期・内容を周知周知前は効力発生しない(2号)
  • 「定型取引」は不特定多数向けかつ内容の画一化が双方に合理的な取引を指す
  • 「定型約款」とは契約内容とする目的で準備された条項の総体を指す
  • 表示義務は、書面交付や電磁的記録の提供が既にある場合は適用されない
  • 合意前の表示拒否でも、通信障害等の正当事由があればみなし合意の不適用は生じない
  • 定型約款の変更には、不当条項を不合意とみなす規定(548条の2第2項)は適用されない
  • 周知は効力発生時期の到来までに行う必要があり、これは合理性要件による変更(2号)の効力発生の条件となる
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定型約款

定型約款について、条文は何を定めているか。

第548_2条定型約款の合意取り込み合意と不当条項の不合意2項・2号判例なし
  • 約款を契約内容とする合意や事前表示があれば個別条項も合意したとみなす
  • 相手方の利益を一方的に害する不当な条項は合意しなかったとみなす
  • 取引の実情や社会通念も踏まえて不当性を判断する
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第548_3条定型約款の内容の表示約款内容の表示義務と拒否の効果2項判例なし
  • 相手方から請求があれば遅滞なく相当な方法で約款内容を示す
  • 既に書面や電磁的記録を提供済みなら表示義務はない
  • 合意前の拒否は正当事由なければみなし合意不適用
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第548_4条定型約款の変更個別合意なしで約款を変更できる4項・2号判例なし
  • 相手方の一般の利益に適合する変更は個別合意なく可能
  • 目的に反せず合理的な変更も個別合意なく可能
  • 効力発生時期と変更内容をネット等で周知する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民法 第548_2条(定型約款の合意) 詳細ページ
(定型約款の合意)
第五百四十八条の二定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
2前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。
民法 第548_3条(定型約款の内容の表示) 詳細ページ
(定型約款の内容の表示)
第五百四十八条の三定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。
2定型約款準備者が定型取引合意の前において前項の請求を拒んだときは、前条の規定は、適用しない。ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
民法 第548_4条(定型約款の変更) 詳細ページ
(定型約款の変更)
第五百四十八条の四定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
一定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
二定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。
2定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。
3第一項第二号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。
4第五百四十八条の二第二項の規定は、第一項の規定による定型約款の変更については、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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